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更新日:2023.10.30 / 掲載日:2023.07.10

ハイエンドEVに挑戦するロータス エレトレの超絶スペック【石井昌道】

文●石井昌道 写真●ロータス

 昨年10月9日に開催されたJAPAN LOTUS DAY 2022を当コラムで取り上げたときにも記した通り、イギリスのスポーツカー・ブランドとして名高いロータスはいま生まれ変わろうとしている。

 エリーゼやエキシージといったプリミティブなライトウエイトスポーツは生産終了となり、新型車のエミーラがようやく日本上陸。ただし、同車はロータス最後のエンジン車であり、古き佳き時代の最終形でもある。新生ロータスはBEV専用ブランドとなり、スポーツカーが得意というベースはあっても、今後はSUVや4ドアクーペなどを積極的に展開していく。

 そのために大きな投資がなされているが、それが可能なのは中国・ジーリーの傘下になったからだ。最近ではボルボが同じくジーリー傘下となってブランド力を強化して成功している。あまり制限をかけず、コストをかけていいモノを造る環境を整えるのが特徴であり、金は出すが口は出さないという、理想的な投資が行われたからだ。

 ロータスが狙っているのは、ずばりポルシェのようなビジネスモデルなのだろう。

 911や718ケイマン/ボクスターのように一級のスポーツカーを基本としながら、SUVのカイエンやマカン、セダンのパナメーラで大きな収益を上げる。利便性の高さに加えてスポーツカー譲りの高い走行やブランド力が売りとなる。タイカンからBEV化にも積極的だ。

ロータス エレトレ

 そんな新生ロータスの切り込み隊長となるのがエレトレだ。

 ロータス初のSUVであり、ロータス初のBEV。スペックをみるととてつもなくハイパフォーマンスであり、インフォテインメントなどデジタライズも先進的。その高性能ぶりを誇示するためか、ロータスではエレトレをハイパーSUVと表現している。

 ロータスは伝統的に車名がEから始まり、エレトレ=ELETREもこれに則っている。東欧の言語で“命を吹き込む“という意味合いがある。

 ボディサイズは全長5103×全幅2135×全高1630mmでポルシェ・カイエンよりも大きく、新しいBMWのPHEV SUVの XMに近い。グレードは3種類で、エレトレとエレトレSはシステム総合の最高出力が450kW(612PS)で最大トルクが710Nm、エレトレRは675kW(918PS)、985Nmと超が付くほどのハイパフォーマンスだ。

 エレトレ/エレトレSは前後に225kWのモーターを搭載。エレトレRは前は225kWで後が450kWとなり、いずれも4WD。エレトレRのリアモーターには2段ギアが採用されている。BEVの多くは1段ギアで、2段ギアを採用しているのはポルシェ・タイカンおよび兄弟車のアウディe-tronGTぐらい。ロータスの資料のなかには、同クラスの2段ギアモデルに比べてリアドライブユニットは約14kg軽い156kgに収まっていると記されており、名指しこそしないもののポルシェを強く意識していることがうかがえる。0-100km/h加速はエレトレ/エレトレSが4.5秒、エレトレRが2.95秒だ。

 バッテリー容量はいずれも112kWh。一般的に三元系リチウムイオンバッテリーの場合、最小単位のセルをいくつかまとめてモジュールとし、それをさらに複数まとめてパックとするが、角型セルを直接パックに配置するという手法で体積あたりの密度を高めている。

 CATLやBYDがリン酸鉄バッテリーで行っているセル・トゥ・パックを三元系リチウムイオンバッテリーで行っているのがユニークだ。WLTPモードの一充電走行距離はエレトレ/エレトレSで600km、エレトレRで490kmとなっている。急速充電の受け入れ能力は420kWと高出力で、420kWの充電器があれば10−80%までわずか20分、欧州で普及しつつある350kWでも22分で済む。

 パワートレーンのスペックもすごいがシャシーもしかりだ。ロータスお得意のアルミニウムはプラットフォームの43%、ボディ構造の50.7%に使用。高い剛性を誇りながら、素材をインテリジェントに組み合わせることで約10%の軽量化を図っているという(車両重量は未公表)。

 いずれのモデルもデュアルチャンバー式エアスプリング、電子制御ダンピングシステムを採用。さらにエレトレRではインテリジェント・アクティブ・ロール・コントロール、アクティブ・リア・ホイール・ステアリング・システムも搭載。いまある先進テクノロジーをすべて注ぎ込んだ内容だ。

ロータス エレトレ

 これらのスペックからもいかにハイパフォーマンスなBEVを目指したかがわかるが、さらにインフォテインメントも注目すべき内容だ。

 最近の自動車はECUが多数搭載されて複雑化してきているが、それを一元化するためにPCやスマホのようにOS(オペレーションシステム)を搭載する動きが加速している。

 車載OSの開発は、現在の最大の競争領域といっても過言ではないほどで、たとえばトヨタは2025年の実装を目指して鋭意開発中だと表明している。ところがエレトレはすでに、オリジナルのロータス・ハイパーOSを搭載しているのだ。

 アンリアル・エンジンと呼ばれるビデオゲーム用のエンジンをベースに開発されたもので、デュアルクアルコム8155 Snapdragonチップ、12GBのRAM、128GBのストレージを採用。15.1インチの有機ELタッチスクリーンで、3Dアニメーションを自在に操ることも可能だ。

 オーディオも凝ったもので、スピーカーの王者といわれるKEFと共同開発。次世代音響技術のドルビーアトモスが組み合わされており、躍動的なサウンドが楽しめるという。車載オーディオとしては、少なくとも世界有数であり、片手で数えられるほどの上位に入るだろうと自負しているようだ。

 いかに大きな投資があったといっても、いきなりこんなにハイスペックなモデルを完成させられるのかどうか、期待が膨らむ一方で心配にもなるのだが、ごく近いうちに試乗記をお伝えできる予定なので、お楽しみに!

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石井昌道(いしい まさみち)

ライタープロフィール

石井昌道(いしい まさみち)

自動車専門誌の編集部員を経てモータージャーナリストへ。国産車、輸入車、それぞれをメインとする雑誌の編集に携わってきたため知識は幅広く、現在もジャンルを問わない執筆活動を展開。また、ワンメイク・レース等への参戦も豊富。ドライビング・テクニックとともに、クルマの楽しさを学んできた。最近ではメディアの仕事のかたわら、エコドライブの研究、および一般ドライバーへ広く普及させるため精力的に活動中。

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自動車専門誌の編集部員を経てモータージャーナリストへ。国産車、輸入車、それぞれをメインとする雑誌の編集に携わってきたため知識は幅広く、現在もジャンルを問わない執筆活動を展開。また、ワンメイク・レース等への参戦も豊富。ドライビング・テクニックとともに、クルマの楽しさを学んできた。最近ではメディアの仕事のかたわら、エコドライブの研究、および一般ドライバーへ広く普及させるため精力的に活動中。

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